
「6月は梅雨でジメジメするけれど、冬みたいな窓の結露は大丈夫でしょ?」そう思っていませんか?実は、近年の6月は梅雨のイメージだけでなく、**暑さが本格的に始まる月として捉えられる可能性があり、さらに台風やゲリラ豪雨といった気候変動も発生しやすい時期なのです。
確かに窓ガラスの表面にできる一般的な結露(冬型結露)は、外気温が低くなる冬に多く発生するものです。しかし、梅雨を含む湿度の高い時期には、床下や壁の内部、家具の裏など空気の流れが悪い部分で「夏型結露」が発生する可能性も指摘されています**。結露はカビやダニの発生源となり、健康被害や建物の劣化につながる可能性も示唆されています。
一方で、住まい手の方々の意識調査では、暑い夏や寒い冬には換気をしない人が増える傾向があり、特に夏に換気をしない理由として、暑さによる熱中症への懸念や、台風・ゲリラ豪雨が多く窓を開けられないことが挙げられています。また、換気時の困りごととしては、春・夏ともに**70%以上が虫の侵入を気にしていることもわかっています。
これらの情報からも、6月は一般的な冬型結露の対策に注力するよりは、暑さ対策と台風・大雨への対策に意識を向けることが、より快適で安全な住まいにつながると言えるでしょう。
1. じわじわ迫る夏の暑さ!熱中症を防ぐための対策

気象庁のデータから、近年6月の平均最高気温が上昇傾向にあることがうかがえます。夏場の暑さ対策は、熱中症を防ぎ、快適に過ごすために非常に重要です 。
夏に外から室内へ流入する熱の約7割(※)が「窓」から入ってくるという事実があります(※アルミサッシ・複層ガラスの場合)。そのため、窓辺の暑さ対策が効果的です。
効率的な換気で室内の熱気を逃がす
室内に熱がこもるのを防ぐためには換気が基本です。特に、風の「入口」と「出口」を作るために、対角線上に2方向の窓を開けるのが効果的で、換気効果は約10倍になるとされています。午前中など、比較的気温の低い時間帯に換気を行うのがおすすめ!
窓が1カ所しか開けられない場合や窓を開けられない状況では、扇風機やサーキュレーターを窓の方向へ向けて活用することで、空気の流れを作ることができます。また、台所や浴室の換気扇も換気力が高いので、短時間で換気を行うのに有効です。
ただし、夏場の換気には虫の侵入や雨といった困りごともあります。通風量の多い網戸、虫の通りづらい網戸や、換気機能付きの玄関ドアなどを検討するのも一つの方法です
窓からの熱の流入を遮る対策
窓から入る熱を遮ることも効果的な暑さ対策です。遮熱性の高い窓ガラス太陽の日射熱を遮る効果が期待できるLow-E複層ガラスや、さらに高性能な真空ガラス「スペーシアクール」は、夏の強い日差しをカットし、冷房の効きを高め、省エネにもつながります。断熱性の高い窓は、夏だけでなく冬の快適性向上や結露低減にも効果が期待できます。
アウターシェード窓の外側に設置するアウターシェードは、窓から入る日差しを最大約8割もカットし、冷房効率を高めます。熱中症対策にも有効です。
遮熱カーテン太陽の光や熱を防ぐ遮熱カーテンも有効です。室内に熱が入り込まないようにしてくれるため、夏に効果を発揮します。断熱率が高いカーテンを選ぶのがポイントです。レースカーテンでも遮熱効果があるものを選べば、明るさを保ちつつ対策できます.
除湿とエアコンの活用=
日本の夏は湿度が高いのも特徴です。除湿器やエアコンの除湿(ドライ)機能を活用して湿度を下げることも、体感温度を下げ快適に過ごすために有効です。エアコンの除湿機能には弱冷房除湿と再熱除湿があり、目的に応じて使い分けることができます。
2. 早めの備えが重要!台風・大雨への対策

6月は台風の発生や接近の可能性があり、予期せぬ経路をとる場合もあります。また、ゲリラ豪雨なども増える時期です。台風や大雨による被害を防ぐためには、事前の備えが非常に重要です。
飛ばされやすい物の固定・収納
台風接近前には、まずベランダや家のまわりにある植木鉢や物干し竿など、風で飛ばされやすい物を室内に移動**しましょう。車庫や小屋の屋根なども、風で飛ばされないよう点検・補強しておくことが推奨されています。家の近くの大きな木の枝は、強風で家屋を傷める可能性があるため剪定しておくと良いでしょう。
建物の点検・補強
雨戸や屋根・ひさしの補強、テレビアンテナの固定といった建物の点検・補強も重要です。
窓の保護と強化
台風時の強風や飛来物から窓ガラスを守る対策は特に重要です。シャッターや雨戸、シャッターは窓ガラスを保護し、強風による風切音が室内に響くのを抑える防音効果も期待できます。雨戸は左右にスライド、シャッターは上下に開閉する構造で、電動式など種類があります。手動式は安価で故障しにくい、電動式は開閉が楽で音が静かといった特徴があります。収納性や電動式に魅力を感じてシャッターを選ぶ家が増えている傾向があるようです。後付けも可能な場合がありますが、建物の構造や窓の形状、周辺の障害物によって難しいケースもあるため、専門業者への問い合わせをお勧めします。
強度が高い窓へのリフォーム強度の高いサッシとガラスを用いた窓リフォームは、強い雨風や風速62m/s相当の強風にも耐えられる「S-5」などの性能を実現できます。ガラスが割れても飛び散りにくい合わせガラスも標準装備できるため、災害時も安心です。
窓ガラスの交換・補強シャッターの後付けが難しい窓などには、窓ガラス自体を強化ガラスに交換することも有効な手段です。費用は1箇所につき3万~6万円が一般的です。窓ガラスに防災フィルムを貼ることで、窓を割れにくくしたり、割れた際の飛散を防いだりする効果も得られます。
応急処置**: シャッターが壊れたり対策が間に合わなかったりした場合には、ダンボールやアクリル板で窓ガラスを補強する方法があります。窓ガラスの外側に板を取り付けたり、内側にダンボールを貼って飛散を防いだりすると効果的です。防災フィルムがない場合の応急対策としては、養生テープを窓ガラスの枠に沿って「米の字」の形で貼るのも、割れた際の飛散防止に有効です。
側溝・排水溝の掃除
家のまわりの側溝や排水溝のごみや泥を取り除き、水の流れをよくしておくことも、浸水被害を防ぐために重要です。
情報収集と避難・停電対策
テレビやインターネット、ラジオなどで気象情報やニュースをこまめに確認し、防災アプリや自治体の情報ツールなど複数の情報収集手段を確保ておきましょう。特にラジオは手回し充電機能や太陽光で充電できる防災ラジオをご用意いただくと安心です。さらに普段からラジオを聴く習慣を持つことで、いつものパーソナリティーがいざというときも、いつものパーソナリティー声を聴くだけで安心できるのでおススメです。
また、事前にハザードマップでご自宅の水害リスクを確認し、分散避難(在宅避難、縁故等避難、避難所避難)を検討して避難先を決めておくことが推奨されています。
台風によって停電が発生する可能性もあるため、非常持ち出し袋や、飲料水・非常食の確認・準備に加え、ポータブル電源などの予備電源の確保も有効な備えとなります。
3. 窓リフォームで暑さ・台風対策をまとめて行う

住まいの快適性や安全性を総合的に高めるためには、窓の性能向上を目的としたリフォームも有効な選択肢です。断熱性の高い窓は、夏の遮熱対策や西日対策、省エネ対策に効果が期待できるだけでなく、結露の低減**にもつながります。また、強度や防犯性の高い窓やシャッターは、台風などの災害対策としても効果を発揮します。
窓のリフォーム方法としては、既存の窓の内側にもう一つ窓を設置する内窓(二重窓)の設置や、断熱性や強度の高い窓への交換(既存の窓枠の上から新しい窓を取り付けるカバー工法が比較的簡単です)、ガラスのみを Low-E複層ガラスや真空ガラスなどの高機能ガラスに交換する方法、シャッターや雨戸の後付け・交換などがあります。
これらの窓リフォームには、国や自治体が行う補助金制度を活用できる場合があります。補助金を活用することで、費用負担を抑えながらワンランク上の窓リフォームを実現できる可能性もあります。
まとめ
6月は湿度が高く梅雨の時期である一方、暑さが始まり台風や大雨のリスクも増える季節です。一般的な冬型結露だけでなく、湿度や冷房によって発生する夏型結露の可能性もゼロではありませんが、快適性や安全性を考える、暑さ対策と台風・大雨への対策が特に重要になります。
窓からの熱の流入を防ぐ遮熱対策や効率的な換気、飛来物から窓を守る台風対策は、どちらも住まいの安心・安全に直結します。これらの対策は窓の性能に大きく左右される部分も多いため、窓リフォームを検討するのも総合的な解決策として有効です
早めの対策を講じて、梅雨から夏にかけての時期を快適かつ安全に過ごしましょう。